1. 狐一家と戯言遣い。 「いーちゃん、明けましておめでとうだぞ!」 「いーたんあけおめー」 「久しぶりだな俺の敵。」 「何であんたまでいるんですか」 「固いことを言うなよ。今日は目出度い目出度い正月だぜ」 「そうなんだぞいーちゃん」 「で。それが何故ぼくの部屋を占拠していることと関係があるんでしょうか。」 「まずいーたんの部屋が狭いことが問題だと思うけどなー。ま、それはともかく」 「ともかく?」 「「「お年玉」」」 「なんでぼくが」 「愚問だな、戯言遣い。お年玉は年長者の義務だぜ」 「ぼくなんかまだ青臭いガキですよ」 「謙遜はよせよいーたん。折角家族総出でせめー部屋に来てやってんだからよー」 「いーちゃん、金ー」 「金っていうな真心。というか狐さんが最年長者じゃないですか」 「俺はやらん」 「なんだその断言は!」 「いいから寄越せ」 「金っ金ー」 「・・・・・・・・・・・・」 (1・1.戯言遣いが言葉を捨てた日。)