えんどれすあんはっぴー



「ししょー」
「なんだい姫ちゃん」
「はっぴは単語ですよね」
「まあ、そうだね。法被は単語だけど」
「じゃあつくのはふてーかんしいんのあんですね」
「太え監視員? ・・・・・・不定冠詞か。いや、え、不定冠詞? 法被って日本語だろ?」
「いえいえ。何言ってるですか師匠。ここに広げてあるのはばっちし英語のノートですよー」
「それはわかってるんだけどね。はっぴなんて英語はあったかな」
「はっぴですよ。不定冠詞をつけたらあんはっぴです」
「あ」


成程ね。


「幸せも一つじゃ不幸せと同義ってことか。それは中々箴言だね。」
「ほえ? 師匠意味わかんないですー」
「いやいや。姫ちゃん幸せ?」
「姫ちゃんは世界一の弟子なのですよ師匠」
「ふーん?」
「だから、師匠が幸せなら姫ちゃんも幸せなのですっ」


そう言うと彼女は、照れた風に笑った。


「ししょー?ゆーあーあんはっぴー?」
「・・・・・・この場合どっちなんだろうね」




まあ、どっちでも同じ事なんだろうけど。




「イエス、かな」
「えへへ」
姫ちゃんは、大きくブイサインを作る。


「姫ちゃんもですよーいっぱいいっぱい精一杯幸せです!」


「そっか。戯言遣いの弟子から箴言が生み出されるなんて 世の中まだまだ捨てたもんじゃないね」
「最高の弟子に最高の師匠ですね師匠!」
「それはどうかな」
「師匠ー!そんなこと言っちゃ駄目ですっ姫ちゃんの幸せのため、師匠には一肌も二肌も幸せになってもらうんですっ」
「有難う。」




何処まで続く。何処までも続く。