嫌い。 とても、嫌い。 とてもとても、嫌い。 とてもとてもとても、嫌い。 あの青い髪が、あの蒼い瞳が、この上なく鬱陶しい。 指に絡まる細い髪が、ぼくを見つめる大きな瞳が、この上なく気持ち悪い。 寄らないでくれ。 見たくない。 これ見よがしに見せ付けられる、罪の証。 断罪するように、決して贖罪はさせないように。 なのに。 「いーちゃん」 人類最愛の青色が、ぼくの名を呼ぶ。 ぼくは耐え切れなくて、そちらを振り向いて。 あの青色を見た。 ぼくが壊した青色。 ぼくを壊した青色。 彼女は、玖渚友。 嫌い。 憎んでる。 「友」 好きだ。 愛してる。 憎んでるのと同じぐらい、愛してる。 殺してもいいぐらいに嫌い。 殺されてもいいぐらい好き。 好き。 「玖渚、友」 気付けばぼくは、既に曲がり角なんかに立っては居なくて、その道は終焉までの一本道で。 なのに隣に玖渚がいるものだから、ついうっかり、それを許容してしまった。 この十字路が運命を決めるのだろう |