二人で、食料を買った帰り道。
仲良く一つずつビニール下げて、のんびりとした足取りで、歩く。



「人識君甘いものばっかりですねー」
「好きなんだよ」
「太りますよ」
「太らねえよ」
「主役失格、零崎人識」
「てめえ」




少しだけ、沈黙。
少女はつ、と視線をあげた。





「夕日、綺麗ですね」
「そうか?」
「情緒ないー」
「るせ」
「燃えてるみたいに赤いです」
「実際燃えてんだろ」
「……情緒ないー」
「知ってる」




少年が少女の手を掴んだ。
少女は、ゆっくりと振り返る。





「どうしたんですか? 人識君」
「や……なんでもねえよ」




すぐに手を離して、少女を追い越し歩き出した。

少女は首を傾げて、その後を追った。










その瞳に夕空を映して
(ただ燃えてるだけの太陽なんか見てんな馬鹿らしい、)(こっち、向けよ)