「ししょーなんか、嫌い、だー」



眠っている、彼を見て呟く。

幸せそうに、寝て。
こっちの気持ちなんか、ちっとも知らなくって。


好きだよ、なんて。


「軽はずみに、言わないでください、よー」



期待すらしない。
する前に、絶望する。



「にぶにぶな師匠なんか、どっか行っちゃえばいいんです」



彼の意図。
ここで切ってしまおうか。


既に手袋ははめてある。


臨戦、体勢。




「きっと、師匠が生きてるから、駄目なんです、よ」

あるいは、自分が生きているから。




「なんて。全部、嘘」




好きです大好きです愛してます。
好きって言われて期待しました少し嬉しかったです。
どこにもいかないでここにいて私の傍にいてほしい。
ただただどこまでも貴方の生だけ望んで、る。





「もう、会えないかも知れません」






勝ったにしろ負けたにしろ。
殺したにしろ殺されたにしろ。
もう会えないかも、しれない。




「師匠、ばいばい」


呟く言葉は誰にも届かなく、て










うれしいわ、もう逢うことなどないでしょう
(精一杯にはった虚勢、誰にも見届けられない最後)