ただ只管に泣き続ける。
あの日のために、あの頃の代わりに。

子供のように、元ある姿で。



泣いていいよと誰かが言った。
泣いてくれよと誰かが言った。


許してくれて、願ってくれた。




だから自分は泣いているのだ。
誰かの腕に顔を埋めて、声を上げて――泣いている。

大丈夫だと誰かが言った。




もう二度とと誰かが言った。







「二度と?」
「二度と、不幸に何かなりやしない」






僕達の歴史は終わった。
最早僕達には何もない。
僕達には僕達しかない。
僕達には、僕達がいた。




「あ――」





お疲れなさい。
よく頑張ったね。
ゆっくり休んで、それから――





幸せに、なりましょう。